認知症の人の検査や診察は本当に大変!
前頭側頭型に限らず認知症になってしまうと今までできていたことが少しずつできなくなっていきます。特に病院での検査や診察はかなり難儀します。
採血の時は「痛い!痛い!」と大騒ぎ。
CTやレントゲンの時は検査室から「何するんだ〜!!」と怒号がw
診察時には先生とまともにお話することは難しくなります。
最近困っているのは「尿検査」つまり「採尿」です。
泌尿器科や糖尿病内科に通っていると定期的に尿検査があり、採血の後採尿の指示が出ます。
普通の人なら採血して、うまいこと採尿までできるでしょう。
でも認知症だと、尿意をもよおしているかどうか本人でも分かりづらく
また、採尿のための紙コップの使い方もよくわからなくなってしまうのです。
そうなると介護者が採尿のお手伝いをしなくてはなりません。
おしっこが出るタイミングなんて他人じゃわからないし、特に女性の認知症当事者を介護している男性の介護者(多くは夫や子)になるとどうしていいかわからない…という人も多いと思います。
我が家の場合は紙コップ方式では毎回失敗するので、導尿をお願いすることになります。
認知症の人にとって導尿は怖いし、痛いし、恥ずかしいしで本当に申し訳ないけれど検査結果がとても重要なので毎回我慢してもらっています。
介護者も毎回「採尿お願いします」という指示を嫌な気分で受け入れ、イライラしながら採尿にチャレンジし、結局導尿をお願いすることになるので介護者・認知症当事者両方が快適に検査できる方法を考えてみようと思い立ったわけです。
今回は認知症(特に前頭側頭型認知症)の人の採尿方法について考えます。
前提条件:男性よりも女性の方が採尿は難しい?
もちろん性差別をするわけではありません。
「物理的」に男性の方が採尿がしやすいのです。
実際、採尿器具をネットで検索してみると男性用の方が多く出てくるのです。
男性の場合は採尿器具をセットしやすい構造になっているのでどちらかといえば採尿しやすいと言えると思います。
女性用の採尿器具があまり出てこなかった上に、「基本はカテーテルによる導尿です」と書かれている記事までありました。
私は導尿されたことはありませんが、けして快適なものではないことは想像できます。
身体的な痛みはもちろん、恥ずかしさという心の痛みもありそうなのでやっぱり何とか介護者のサポートで採尿したいと思ったのです。
採尿方法はいくつかある
採尿方法を調べてみたところいくつかあることがわかりました。
- 自力での紙コップ採尿
- 看護師や介護者のサポートによる紙コップ採尿
- 紙おむつを使った採尿
- 看護師による導尿(カテーテル使用)
*あくまでネットなどで調べた採尿方法なので正しい採尿方法なのかどうかについてはふれません。
そもそも「自力での紙コップ採尿」はご自身の認知機能がまだしっかりしておられれば可能ですが、なかなか難しいところではあるので今回は除外します。
1つ1つ検討してみます。
看護師や介護者のサポートによる紙コップ採尿
つまり、簡単に言うと「サポートする人が認知症当事者に紙コップをあてておしっこが出るのを待つ」スタイル。
看護師さんなら慣れているのでうまくいくかもしれないけれど、小さな紙コップでうまいこと受け止められるものだろうか…。
もしくは認知症の程度によっては嫌がって怒り出したり大声を出したりする人もいるかもしれない。
トイレは最後の尊厳ポイントでもあるので、介護者といえど他人が持った紙コップにおしっこをするのはなかなかいい気持ちがするものではない。
ネットで見つけた記事は「寝たきり女性の採尿方法」ではあるけれど紙コップの工夫など参考になるかもしれない。
我が家の場合は紙コップでの採尿がうまくいきません。
(だからいい方法を探しているのだけれど)
紙おむつを使った採尿
普段紙おむつをしている人ならそのおむつをうまく利用して採尿をするという方法。
①紙おむつのなかに紙コップをセットして採尿する方法
これは介護施設などでも採用している方法だそうです。
もちろん、検査のためにコップをセットすることを事前に告げてからセットするとのこと。
おそらく寝たきりの方、もしくはベッドに横になっている時間帯などに有効な方法なのだと思います。
②紙おむつにラップとコットンをセットして採尿する方法
要するに「コットンにおしっこを染み込ませて、あとでそのコットンを絞って採尿する方法」です。
これは異物が混入してしまうからよくないなど賛否両論ある方法ですが、ちょっと試してみたいなと思った方法です。
こちらの記事が参考になりました。(小さいお子さん向けの方法ですが…)
確かにコットンなどの繊維?が混入してしまいそうですが、そんなこと言ってられないのが認知症介護なので一回試してみようと思います。
朝ごはんのあと病院に行くまでの間か、病院で採尿指示が出たあとにトイレで実行するか…
紙おむつのなかにラップを敷くので蒸れないか心配ですが、短時間なら何とかなるかも。
また別に「採尿パック」なるものがあるそうなのですが、なぜか小さいお子さん用しかない…。
さすがに小さなお子さん用のものを大人が使えるとは思えず。こういう商品はこれから認知症の方が増えるにつれて大人用も必要になると思うので今後出てくることを期待しています。
参考までに商品リンク置いておきます。(アマゾンアソシエイトリンクです。)
看護師による導尿
詳しい導尿の方法は専門の人の情報などにお任せしますが、尿道にカテーテルを入れておしっこを採るということだと思います。
実際に処置されたことはないけれど、快適ではないだろうし不安や恐怖を感じることは想像に難くありません。
これはあくまで「最終手段」だと考えています。
採尿の便利グッズを集めてみる
今回色々と使えそうな採尿グッズを購入してみました(スプーンも入っているけど)。
使用感等についてはまた追記します。
今回購入したのは…
アズワン 採尿容器 ユーリパン
トイレにセットしておしっこを確保するグッズ。
病院に行く前、もしくは病院で採尿するときに使えるのではないかと思い購入。
思ったよりもデカい。
おしっこゾウさん
これもトイレに貼り付けておしっこを確保するグッズ。
お子さん用だけどサイズが小さいわけではないので使えるのではないかと。
平たく畳まれているので持ち運びしやすい。
楽流カップWIDE
これはおしっこ用ではなく大きい方用。
トイレに貼って大きい方をキャッチするためのものなので本来の使い方ではないけれど、おしっこゾウさんが小さすぎて使えなかったらと思い予備的な感じで購入。
カップ部分に穴が空いている(大きい方だけをキャッチするため)のでおしっこを取るときはラップを敷いたりする必要がありそう。
サンプルボトル120ml 5個セット
病院で採尿するのが一番だけど、ちゃんとタイミングよくおしっこが出るかどうかはわからないので、予備があれば安心かな?と考えました。(健康診断の時も朝イチのおしっこを持って行く場合があるので)上記のグッズを使って集めたおしっこをこのボトルに入れて持参してみようというアイデア。(たぶん先生には怒られるけど)
採尿のストレスから解放されたい!
認知症の人の病院での採尿ストレスから解放されたい!という発想から、採尿方法と採尿グッズを探してみました。まだ実証はしていませんので実証し次第また追記します。
採尿が病気のチェックに関して必要なことは十分理解しています。
でも自分で採尿できない認知症当事者とその介護者にとっては「採尿もお願いします!」という一言がものすごくストレスになるのです。導尿をしていただけるのはとてもありがたいですが、不安や痛みや恥ずかしさがあることを考えると最終手段にしたいところです。
少しでも採尿のストレスを減らすためにこれらの便利グッズを使ってみたいと思います。
*もちろん病院で採尿しないとダメなことはわかっています。自宅で採尿&ボトルに入れて持参することは当然賛否両論あると思いますが、検査ができないより、導尿されるよりはマシだと思います。採尿が不安で不快でトイレで大声を出してしまう認知症当事者と、おしっこが出るか出ないかわからないのに紙コップをあて続ける介護者の気持ちを想像してみてください。
そしてトイレから漏れてくるその声を聞きながら順番待ちをしている他の患者さんたちの不安や不快、トイレから出てきた時の冷たい目線。(しかも採尿がうまくいかなかった時の切なさと言ったら本当に辛いです)
批判していただいても構いません。
だけど在宅介護、特に認知症、前頭側頭型の介護のリアルな壮絶さを私はここに書き残していきます。
コメント