母は認知症だけでなくガンとも戦っているのだ。
腎盂ガン。一時はステージ4だと言われたようだ。
今まで3つの化学療法をやってきた。
キイトルーダとパドセブとあとなんだっけ…
ひとつ目もふたつ目も効き目は良かったけど、副作用で腸炎になったり褥瘡ができてしまったりと母には負担が大きかったようだ。
そこで主治医の先生から勧められたのがパドセブ。2020年だか2021年だかに承認された新しい薬。
これで効かなかったらもう打つ手がないとまで言われていたのでこの薬にかけていたのだけれど、3サイクル目の最後に血液検査やCT検査の結果をみるとかなりがん細胞が少なくなってきているとのことだった。肺に転移していたガンの影もだいぶなくなったそうな。
パドセブすごいじゃないか!
副作用に関しては(母があまりうまく意思表示ができないのであくまで想像でしかないけれど)それほど強く出ていないみたい。
抗がん剤あるあるの脱毛は普通にある。母の頭は髪の毛がポヤポヤ生えている程度にまで脱毛してしまった。ニット帽をかぶって過ごしてもらうことにした。母の可愛らしい髪型が好きだった。でもきっと治療が終わったらまた生えてくるに違いない。
パドセブの副作用で目立つものといえば血糖値の上昇がある。
母も元々(認知症になってから)血糖値が高い方ではあった。
治療を始めると血糖値が上がってしまうので血糖値のチェックがかなり厳しかった。
母の血糖値は抗がん剤治療ができるギリギリのところまで上がっていたので糖尿病内科の先生にもお世話になることになったのだ。
御年70歳でのインシュリンデビュー!
認知症になる前は血圧はちょっと高いものの他は基本的には健康で、お酒は飲むが甘いものはそれほど食べない母の血糖値はほぼ正常だったのに、認知症のせいなのかストレスのせいなのかここ数年は甘い菓子パンを山ほど食べたりしていたことで血糖値が自然と上がってしまったようだ。
そこへきて化学療法が始まるということで血糖値コントロールが必要になったのだ。
抗がん剤治療を始めた当初、血糖値が600くらいまで上がってしまったことがあって緊急入院もしたりした。
今は食前にインシュリンをすることで血糖値をコントロールしながら化学療法をこなしている。
それ以外の副作用はそれほどないようにも思えるが、母が言えないだけでどこか痛いとか食欲がないとかあるかもしれない。褥瘡が治らないのは血糖値とか免疫の副作用かもしれない。
でも基本的にはパドセブは効果を発揮してくれている。
母も頑張っている。
認知症(前頭側頭型)だけでも大変なのに、なんでガンまで…と思ってしまうが母はとにかく頑張ってくれている。
認知症の人が通院するのは本当に大変なのだ。
特に母は環境が変わると不安になって大声を出してしまう。
病院に行くことはわかっていても、毎回知らない人たちが大勢いるところへいくので毎回大声で大騒ぎなのである。私たちには計り知れないほど不安なんだろうと思う。
病院側も先生も色々と配慮してくれているので感謝しかない。
大声で大騒ぎする母を優しく見守りながら点滴をしてくれる化学療法のスタッフの皆さんや周りで点滴を受けている患者の皆さんにも毎回毎回感謝である。
これから認知症の人の割合も増えてくる中で、当然他の病気も併発してしまう人の割合も増えてくるわけで。医療関係者の皆さんは本当に大変だと思う。
だからこそ我々一般市民は認知症の人でもそうでない人でも分け隔てなく当たり前であるという意識で受け入れていかなければと思う。
いま通院している病院は母のような前頭側頭型認知症の人も受け入れてくれている。(母の場合は暴言や暴力が出ていないことも幸いしているのかも?)病院によっては受け入れてくれないところもあるみたいなので本当にありがたい。
だけど、大騒ぎする母に対して病院側にクレームを入れられてしまうと今後は受け入れてもらえるか分からなくなる。今のところそういう人はいないようにも思えるが、大騒ぎするとジロジロと見てくる人は少なくない。なにか文句を言いたげな人もいる。
(体調が悪くて病院にいるのだからうるさい人がいたらイライラしてしまうのは当然のことなのだけど。)
また愚痴がでそうなのでこの辺で終わりにしておきます。
母の病気が早く治りますように。
認知症だけで十分です。これ以上他の病気に悩まされることなくゆるゆると生きてほしい。
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