【レカネマブ】自宅での皮下注射が可能に!?認知症介護者が知っておきたい新しい治療選択肢

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認知症のあるご家族を介護されている皆さまにとって、日々の介護にはさまざまな挑戦が伴います。その中で、「治療のために病院へ通う時間の確保」や「通院にかかる負担」を感じている方も多いのではないでしょうか?

今回は、アルツハイマー病の早期治療薬「レケンビ®」(一般名「レカネマブ」)の新しい皮下注射製剤に関するニュースをご紹介し、介護者の皆さまがどのようにこの情報を受け止め、活用できるかを一緒に考えていきたいと思います。

YUKA
YUKA

レカネマブが家で使えるようになったらすごい便利だよね。


レケンビ®の新しい治療法とは?

エーザイ株式会社が発表した内容によると、アルツハイマー病の治療薬「レケンビ®」の皮下注射製剤が、米国食品医薬品局(FDA)に承認申請されました。この治療法が実現すれば、従来の点滴治療に比べて、以下のようなメリットが期待されます。

  • 自宅での投与が可能:病院での点滴治療が不要になり、自宅でオートインジェクターを使って週1回の皮下注射が可能になります。
  • 通院負担の軽減:通院回数が減ることで、介護者にとって時間的・精神的な負担が軽減されます。
  • 治療の継続性向上:自宅で手軽に治療が続けられることで、介護される人の生活の質を維持することが期待されます。

レケンビは、アルツハイマー病の原因の一つとされる「アミロイドβ(Aβ)プラーク」を取り除く働きがあります。早期からの治療が重要とされるアルツハイマー病において、この新しい治療法は大きな期待を寄せられています。

(現時点では、皮下注射製剤についてはアメリカで承認申請が行われた段階であり、日本での承認申請時期は未定です。ただし、レケンビ(レカネマブ)はすでに日本でも承認を取得しているため、アメリカでの承認取得の進展に応じて、皮下注射製剤についても日本で承認される可能性があると考えられます。)


介護者が感じる負担と、この治療法がもたらす可能性

認知症の介護は、身体的なケアだけでなく、心理的な負担も大きいものです。通院のたびに時間を調整し、被介護者である家族を連れて行くことがどれほど大変か、多くの介護者の方が実感されているでしょう。

今回の皮下注射製剤のニュースは、そうした介護者の負担を軽減する希望の一つと言えます。通院回数が減ることで、介護者は自分自身の時間を確保しやすくなり、結果的にご家族へのケアの質も向上するかもしれません。また、自宅で治療を行うことは、介護される人のストレスを軽減する可能性もあります。

YUKA
YUKA

認知症の家族を病院に連れて行くのってほんと大変なんだよね…

特に前頭側頭型は大声を出しちゃったりするから、介護者にとって通院は

心の負担も大きい。もちろん本人も辛いよね。


皮下注射製剤の考えられるデメリット

新しい治療法がもたらす期待は大きいですが、一方で注意すべきポイントもあります。皮下注射製剤の導入に際して、以下のような点を知っておくことが大切です。

  1. 自己注射の負担
    自宅での注射が可能になることはメリットですが、オートインジェクターを使うとはいえ、介護者が注射を行う必要がある場合、最初は手技に慣れるまで不安を感じることがあります。適切な指導やサポートが求められます。
  2. 副作用の可能性
    レケンビは有効性が期待される一方で、稀に脳浮腫や小出血といった副作用が報告されています(下記に引用あり)。皮下注射製剤でも同様の副作用リスクが考えられるため、使用中は被介護者の体調を注意深く観察することが重要です。
  3. 治療費の負担
    皮下注射製剤が保険適用されるかどうかは国や地域によります。日本での承認後にどの程度の費用がかかるか、またそれが介護者や家族にとってどれだけの負担になるかを検討する必要があります。
  4. 対応医療機関のサポート状況
    自宅での投与が可能とはいえ、初めての導入時や副作用が疑われる場合には医療機関のサポートが必要です。そのため、地域での医療体制がどの程度整っているかも考慮する必要があります。

新しい治療法には期待とともに不安もあるかもしれません。これらのデメリットについては、主治医や専門家に相談しながら、介護される人にとって最善の選択肢を一緒に見つけていくことが大切です。適切な情報収集とサポート体制を整えることで、安心して治療を進めることができるでしょう。

多くは無症状で自然に改善しますが、稀に頭痛、めまい、吐き気などの症状が現れることがあります。重篤なケースは少ないものの、治療中は定期的なMRI検査でのモニタリングが推奨されます。(出典:国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター

介護者はこのニュースをどう受け止めるべきか?

  1. 情報を正確に把握する
    今回の治療法が実現した場合、実際にどのような手続きが必要になるのか、どのように自宅での投与を進めるのかを主治医に相談することが大切です。
  2. 介護負担を軽減する工夫を考える
    通院が減ることで生まれる時間や余裕を、自分のリフレッシュや他の介護サポートに活用してみましょう。
  3. 被介護者の反応を観察する
    新しい治療方法を取り入れる際には、被介護者がどのように感じているかを見守りながら、適切にサポートしてください。

介護者の負担軽減は介護される人にとってもメリットになる

アルツハイマー病の治療は日々進化していますが、それを支える介護者の存在が何よりも大切です。今回の皮下注射製剤が実現すれば、介護者の皆さんの負担軽減と介護される人の生活の質向上の両方に大きく寄与するでしょう。

介護は孤独になりがちですが、周囲のサポートや新しい治療法の力を借りながら、一歩ずつ進んでいきましょう。どんな小さなことでも、自分の心と体を大切にしながらケアを続けていくことが重要です。

認知症の治療法は進化し続けている

今回はアルツハイマー型認知症の治療についての記事を紹介しました。

認知症に関する情報を目にするたび、認知症の中でも一番多いと言われるアルツハイマー型の治療方法についての研究が日々進化し続けているのを実感します。

明確な治療法がないとされる前頭側頭型認知症は患者数が認知症全体の数%なのでアルツハイマー型認知症よりも研究が進んでいないのは仕方がないという気持ちもありますが、いろいろな情報を見ているとアルツハイマーだけでなく認知症全体の研究がここ最近急激に進んでいる印象を受けます。

今後、前頭側頭型認知症の治療法や対処法についての研究や成果が出てくることを期待しつつ、我々介護者は目の前の家族やパートナーなどの日々の暮らしを支えていかなくてはなりません。なるべく早く治療法が確立されることを願っています。

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